2024年5月GW
※本ブログに書いてあるコーヒーに関する情報は、うろ覚えの中なんとか思い出しながら書いております(1年も放置しなければ良かったのに)。ここの情報を鵜呑みにせず、コーヒーについて詳しく書かれている他の方々のサイトやブログを確認しつつ、読み手の皆様方自身でファクトチェックしていただければと思います。
※コーヒーの精製順序がわかりやすくなるように、写真の時系列は適宜変えております。
4日目
今日も日の出チャレンジから始まります

さぁ、このまま昇るか!?それとも霧に隠れるか!?

キターーー(゚∀゚)ーーー!!!
ほんとお美しい
諸事情あって(前日ブログ参照)コーヒーショップで皆さんで御来光を拝むことはできず(上まで登りきる体力がなかった)、中腹で1人で眺めておりましたがこれは感動ものです
朝ごはんは前日市場で買ってきた南国フルーツたちです

さて、コーヒー精製の続きです
選別 (water sorting)→選別 (hand sorting)→Pulping (果皮を取り除く)→発酵 (ミューシレージの糖層を有機酸に分解してもらう)→洗浄・選別 (water sorting)→乾燥→脱穀→選別 (hand picking)→焙煎
このうち洗浄・選別 (water sorting)から始まります
発酵前はミューシレージ層がヌルヌルしていましたが、3日経って発酵後のパーチメントがこちら
さらっさらです(画像では伝わりにくいのが残念
舐めてみると少し梅っぽい味の酸味があります
発酵の完了を見極めることは難しいそうです。糖を有機酸に分解することから前回の記事の通りpHは4程度までしか下がりません。pH 4の状態のまま放置するとオーバーファーメンテーションといい過発酵状態となります。この状態になるとイチゴのようなフレーバーとなり一般には失敗、これはこれでそういうものとして飲むと比較的美味いそうです(余談ですが麴プロセスは暖めることからオーバーファーメンテーション気味になります。個人的に麴プロセスのコーヒーは美味しかったため、個人の嗜好によっては美味しく感じるのでしょう)。
分子量が低下、かつ解離基をもつ有機酸は当然水に溶けやすくなるため、洗浄が容易となります

ここでも水に浮くパーチメントは虫食い・未熟豆でありグレードCとして取り除きます
そして小豆洗いのようにゴシゴシゴシゴシ
混ざってる果皮はギリギリひたひたくらいに満たした水の上でザルを上下にすることで真ん中によってきます(取り除きます
選別 (water sorting)→選別 (hand sorting)→Pulping (果皮を取り除く)→発酵 (ミューシレージの糖層を有機酸に分解してもらう)→洗浄・選別 (water sorting)→乾燥→脱穀→選別 (hand picking)→焙煎
そして洗浄が終わったパーチメントは乾燥台(アフリカンベッド)の上に広げられ3週間ほど乾燥します
今回は収穫した実が15 kg、グレードAとして乾燥したパーチメント重量(上で広げているパーチメントの重量)が8 kgでした。つまり歩留まり5割強といったところです
逆に言うと、ほぼ半分がグレードC行きとなりました
現地のプロの方々が実の収穫、選別を行うと歩留まりは7割ほどだということです
我々がまだまだであることがよくわかりますね
なお、こちらの乾燥台、このように天井が貼ってあります

また、別の乾燥場はこのようにビニールハウス式になっています

アフリカのほうでは一般に野ざらしで乾燥させますが、東南アジアは湿気が多く、特に朝は霧や朝露がおりやすいです
そのため屋根を作ったりビニールハウスがないと十分に乾燥させられないといった事情があります
昔はビニールシートの上で乾燥をしていたらしいですが、水分が飛んでいきにくく、カビ等の影響か雑味が多くなりやすいため現在はメッシュを敷いたアフリカンベッド上で乾燥させることが多いそうです
スマトラ式といい、その地域地域の特性に合わせた精製手法が確立されていることがわかりますね
ちなみに上の写真はウォッシュドの乾燥です
こちらがナチュラルの乾燥

干しレーズンみたいですね 実際に香りもレーズンのようです
ちなみにこちらがハニープロセスの乾燥工程

色が濃い黄色みがかっていて、まさにハニーっぽいことがわかります
この状態で水分量11~12%になるまで乾燥させます
水分量はこのような機械で15秒くらいで簡便に調べられます

機械が無い環境の場合、豆に爪を押し当てて、跡が残れば乾燥不足、跡が残らないほど硬ければ乾燥十分と判断できます
ちなみにスマトラ式のような乾燥不足(水分量20~30%)で次の工程脱穀を行うと、豆が柔らかいため欠けが多発するようです。スマトラ式の複雑な味は欠け豆多発の影響もあるのかもしれません。
パーチメントパーチメント言っているが、豆っぽいじゃないか!どういうことだ!とおっしゃる方々
わかります、現地で精製していてもぱっと見同じように見えます。
ただ実際はこんな感じです

薄殻の中に、日本で生豆を扱ったことがある方ならよく見たことがある豆が入っています(左半分はいい感じにシルバースキンに覆われている
終盤です、お次は選別 (water sorting)→選別 (hand sorting)→Pulping (果皮を取り除く)→発酵 (ミューシレージの糖層を有機酸に分解してもらう)→洗浄・選別 (water sorting)→乾燥→脱穀→選別 (hand picking)→焙煎
こちらの脱穀機で上記のパーチメント層を取り除いていきます

4, 5回流し込んでいきます
脱穀された豆が手前側のザルに、パーチメント層が奥側のザルに入っていきます
脱穀後のザルにも少しパーチメント層が混ざっているため、回転や風の力で取り除いていきます

良い感じに回転させると密度の低いパーチメント層が中央に寄ってきます

また大型の扇風機の隣で、チャーハンみたいに舞い上がらせると、軽いパーチメント層が風で吹き飛ばされていきます
ここらへんは完全に職人技ですね
脱穀前後の写真が下の通り
左が脱穀前、真ん中がウォッシュドの脱穀後、右がナチュラルの脱穀後となります
ナチュラルは脱穀後も少し緑や黄色に色づいていることがわかります
このあとはみんな大好きハンドピッキング
選別 (water sorting)→選別 (hand sorting)→Pulping (果皮を取り除く)→発酵 (ミューシレージの糖層を有機酸に分解してもらう)→洗浄・選別 (water sorting)→乾燥→脱穀→選別 (hand picking)→焙煎
すべての豆に目を通し、欠損豆や虫食い豆や未熟豆を取り除いていきます

なかなか精神修行のような作業www
度重なる選別を勝ち抜いたグレードAの豆が焙煎所に運ばれていきます

すごく見覚えのある筐体ですね

この見た目・・・どう見てもプ〇バットであるwww
それもそのはず、この焙煎機はプロ〇ットの元エンジニアが独立しベトナムで作られたものだそう
容量5 kg窯のバーナー式です、かっこいい!!
最初期はこちらの富士ローヤル製1 kg窯からスタートされたそうですが、火力や容量が足りず上記の焙煎機に変えていったそうです

ホッパーに飾りが植えられている・・・
窯の温度や焙煎時間は気温や会社によって変わると思いますが、代表値として
窯は最初215度に予熱しておきます
そこに生豆を投入すると170度前後まで温度が下がります
そのまま9分ほど加熱すると温度は193度ほどになり、1ハゼが生じます。1ハゼとは、生豆内部に含まれる水分が蒸発するときに膨張し、豆を押し広げ破裂する現象を指します。実際パチパチと断続的に音が鳴ります。
1ハゼが鳴るまで焙煎すれば、飲めないことはないのですが相当浅煎りのコーヒーになります
1ハゼが鳴ってからさらに1分ほど加熱するとライトロースト、3分ほど加熱するとダークローストと焙煎度合いが進行していきます

小さなスコップのようなものが焙煎機に刺さっており、途中の焙煎状況を色・香りなどで確認できます
ただ、確認しすぎると窯内温度が下がるため、確認作業は最小限とするようです
また、焙煎の進行や温度はエアフローでも管理していきます
空気の流れなく焙煎すると、煙が窯の中で滞留するためスモーキーな味わいに、空気を取り入れながら焙煎すると、あっさりした味わいに変化します
ただし、空気の循環が多すぎると焙煎温度が上がらないため注意です
このまま206度ほどまで温度が上がると焙煎完了です
良い香りが部屋中に充満します!!!
このように、焙煎の温度と時間の関係をグラフ化したものをロースティングカーブといいます。
途中香りや色で焙煎度合いを確認する方法もありましたが、基本的にはこのロースティングカーブで焙煎度合いを管理していきます
以上でコーヒーの実収穫から焙煎までの一通りの精製工程を学びました!!実際に手を動かし、匂いを嗅ぎながら行うといろいろ学べることが多く、また新たな疑問などが浮かんできます
そして焙煎したら飲むしかない
カッピングのお時間です

コーヒーの品評会Cup of Excellence (COE)ではカッピングというテイスティングが行われ、コーヒーの品質を点数付けしていきます
COEの評価軸は8種類、クリーンカップ、スイートネス、アシディティ、マウスフィール、フレーバー、アフターテイスト、バランス、オーバーオールです
各項目の詳細は他の詳しいブログなどをご参照ください・・・
70点以下がコモディティ(現地の方向け)、80点以下がグレードB、80~86点がスペシャルティコーヒー、87点以上でCOEとなります
COEは参加自体が難しい事情があるようで、生豆で300 kg用意する必要があるそうです。コーヒーの実でいうと1.8トンほど用意する必要があります。
今回のバリ島のコーヒー農園でも、収穫量は年間2.5トンだそうです
評価のためにある程度まとまった量が必要なことに理解は示せますが、小規模で美味しいコーヒーを生産している農家とかにはスポットライトが当たりにくい仕組みだなと感じます
COEのような大規模なカッピングでは淹れ方(湯量、温度、水の硬度なども)、品評の仕方(かき混ぜ方や匂いを嗅ぐ回数・タイミングなど)に厳密なルールがあるようですが、今回のツアーでは入門としてカジュアルに楽しませていただきました
大まかな流れは下記の通り
1: カップに10 gのコーヒーの粉を入れる
2: 粉の香りを嗅ぐ
3: お湯を150 g加えてコーヒーの香りを嗅ぐ
4: 4分蒸らした後、混ぜながら匂いを嗅ぐ
※スプーンの背を使ってカップの手前から奥に向かって3回かき混ぜる
5: 灰汁を取り除く
※スプーン2つを使ってカップの奥から手前に向かって灰汁を追い込むようにして取り除く。また、残った少量の灰汁はスプーンの背をコーヒーの表面に少し付け擦るようにして取り除く(表面張力を利用する
6: スプーン1杯のコーヒーを掬い、啜って、スプーンを洗って、水気を落として、を繰り返す
今回は5つの精製方法が異なるカップをご用意いただきましたが、1つのカップに対して1~6項目を実施するのではなく、5つのカップに対して流れ作業のように1~6項目を実施します(すべての動作時間が均等に同じになるように)
カッピングのようすはこんな感じ
左はかき混ぜながら匂いを嗅いでいる様子、右は啜ってる瞬間
カッピングが上手な方は啜るときの音が高く大きくキュインッ!って感じの音が鳴ります
啜るのにも意味があり、口の中にコーヒーの霧を作るようなイメージで啜り、細かい味の違いを感じ取っていくらしいです
また大規模なカッピング会だと、啜ったコーヒーをまともに全部飲んでいたらお腹がタプタプになってしまいます。そのため、飲まずに吐き出すそうですが、その吐き出し方も上手い方は水鉄砲のようにピュッと吐き出すそうです。
今回用意いただいた中で個人的に一番美味しいと感じたコーヒーは麹プロセスのものでした。
麴プロセスは加温して発酵させるためオーバーファーメンテーションになりやすくCOE的には高得点にはなりにくいそうです
それでも個人的にはマイルドで柔らかな甘みを感じた麴プロセスが美味しいと感じました
日本酒やコーヒーやチョコレートのような嗜好品はこういうところが面白さでもありますよね
コーヒー農園自体のツアーは以上となります
いやぁ、ほんとに色々と勉強になりました(コーヒーのことだけでなく、好奇心は自分を殺すことも
興味を持たれた方は是非、Light Up Coffee様主催のバリ島コーヒー農園ツアーに参加いただければと思います。後悔は絶対にしないですし、一生ものの学びが得られると思います。
残りの時間は山から空港に降りていき、ちょっとした観光やサンセットビーチで夕飯を食べます

なんど来ても楽しいジェンガラ
サンセットビーチでの美味しいお食事処


美しい日の出を見て始まった1日が、美しい夕日でもって締めくくろうとしています
色々なことがありましたが、主催のLight Up Coffeeの方々、農園オーナーのバユさん、農園やカフェで働いている皆様!本当にお世話になりました!人生でこんなに学びの多い3日間はないだろうと思います!また訪問できる機会があれば是非お会いしたいです!

本当にありがとうございました!